○ 不動ヶ谷金剛寺不動堂(大聖不動尊)
ここは、「大聖不動尊」(だいしょうふどうそん)の扁額を掲げる「足立百不動尊」の七番である金剛寺の不動堂ですが、
金剛寺は明治に廃寺となっています。
境内に三本柱の火の見櫓が建っています。
<扁額>
左の扁額「足立第七番 大聖不動尊 願主中」(足立百不動尊共通で番号が異なる)
右の扁額「不動尊」
<御詠歌>
「足立百不動尊」はそれぞれに御詠歌があり、不動堂の中にここの御詠歌が掲示されていました。
「足立第七番 金剛時
とりわきて えにしそふかき ふどうやつ たみのかまどの ひびににぎわし」
<手水鉢>
文化12(1815)年銘の手水鉢です。
<不動堂左手の六地蔵/石塔>
不動堂の左手に、六地蔵、地蔵菩薩立像、三基の石塔があります。
<出羽三山供養塔>
中央の石塔は、文化12(1815)年銘の出羽三山供養塔です。
正面「月山 湯殿山 羽黒山 供養塔」
左側面「世話人 長谷川氏」
<笠付青面金剛庚申塔>
左の元文5(1740)年銘の笠付青面金剛庚申塔です。
左側面「木崎領中尾不動谷戸」
<笠付角柱庚申塔>
右の元禄9(1696)年銘の笠付角柱庚申塔です。
正面
「願主金剛時傳海
「奉建立庚申尊像 當處安全所」
「施主當村善男善女」
<不動堂右手の石塔>
墓石に混じって、供養塔があります。
<西國秩父阪東供養塔>
文化9(1812)年銘の西國秩父阪東供養塔です。
「西國秩父阪東供養塔」
<二十六夜塔/二十三夜塔>
二十六夜塔と二十三夜塔が並んでいます。
<愛染明王坐像道標(二十六夜塔)>
文化4(1807)年銘です。
(正面) 愛染明王坐像と「廿六夜」を刻んでいます。
(正面下部右)「うら王道」
(左面) 「北 大ミや 者らいち/奈んぶ
い王つき 道」
(右面) 「南 王らひ/戸田 江戸道」
(裏面) 「東 八町 こしがや/者とがや
せん志由 道」
<勢至菩薩立像道標(二十三夜塔)
文化2(1805)年銘です。
(正面) 勢至菩薩立像と「廿三夜」を刻んでいます。
(正面下部右)「志んまち道」
(正面下部左)「者とがや道」
(左側面) 「南 戸田/王らび 道」
(右側面) 「北 大みや/うらわ 道」
(「近世以前の土木・産業遺産」(岡山大学名誉教授馬場俊介)の記載により確認しました。)
<板碑>
摩滅で全く読めない板碑があります。