Discover 江戸旧蹟を歩く
 
 八潮市

  ○宝幢寺松之木墓苑
  ○伊草の出羽三山等供養塔道標


宝幢寺松之木墓苑 八潮市緑町3-18-2

 宝幢寺(ほうどうじ)は、吉祥院(足立区本木)の末寺だった寺です。
 墓地が離れたところにあり、出羽三山等供養塔や、庚申塔六阿弥陀道標など石塔が色々とあります。
 現在宝幢寺が存するのは江戸時代は鶴ケ曾根村で、墓地が存するのは松之木村です。

<松之木墓苑/札所碑>

 山門脇に石塔がありますが、植栽に隠れて上しか文字が見えません。
 「新四國〜」とあるので、新四国四箇領八十八ヶ所霊場68番の札所碑かと思います。
 松之木墓苑の裏にも門があります。

     

<六地蔵>

 墓苑に入ってすぐ右手に六地蔵家屋があります。家屋は昭和57(1982)年の新築です。
 享保7(1722)年銘の六地蔵です。
 「武州埼玉郡八条領松木村」の銘があります。

    

   

 「馬頭観世音」「妙法水神」

  六地蔵家屋手前右手に、「馬頭観世音」「妙法水神」(大正15年)があります。

  

<普門品供養塔>

 六地蔵家屋手前左手にある弘化2(1845)年銘の普門品供養塔です。
 右側面「天下泰平 国土安全」

    

【石塔三基】

 通路左手植栽に、石塔が三基あります。

   

出羽三山等供養塔>

 出羽三山の他、多数の霊山が刻まれています。
 明治時代の造立なので、羽黒山、月山、湯殿山の順に並んでいます。

 「富士山 羽黒山 月山 湯殿山 立山 白山」
 「奉 四國西國秩父坂東 伊勢両宮嶽□欠落」
 「天下泰平 家内安全 以下欠落」
 「明治三十五年」

     

<庚申塔>

 寛政12(1800)年銘の庚申塔です。
 「武州埼玉郡八条領松野木村」と刻まれています。

     

庚申塔道標>

 宝暦8(1758)年銘の庚申塔六阿弥陀道標です。

 (正面) 青面金剛立像を陽刻
 (右面)「是より右 六阿ミ多”みち」

 新六阿弥陀が、船渡村(現越谷市)の受道によって天明8(1788)年に始められています。
 これ以前の道標であり、六阿弥陀の道標と思われます。
 下妻道から六阿弥陀に向かう分岐点にあったものと推定します。

     

   

<松之木公民館> 八潮市緑町3-18-2

 墓苑内に松之木公民館があります。

  

<馬頭観音>

 無縁塔の右に、文政13(1829)年銘の馬頭観音があります。
 「馬持講中」とあります。
 松之木村の個人名が並んでいます。

     

    


伊草の出羽三山等供養塔道標 八潮市大字伊草(伊草新橋)

 葛西用水にかかる伊草新橋の袂に、道標を兼ねた出羽三山等供養塔があります。
 天保12(1841)の造立です。

 (正面中央) 「月山 湯殿山 羽?山 四國西國秩父坂東 拝礼供養塔」
 (正面下部右)「天下泰平 南 江戸 淺草江 三り」
 (正面下部左)「国土安穏 北、こし可やへ 二り 岩つきへ 五り」
 (右面下部) 「まつとへ 二り半 市川へ 四り」
 (左面)「成田山」(左面下部)「八条へ 十八丁 なかれ山へ 二り」

 道標部分がよく読み取れず「近世以前の土木・産業遺産」を参照しました。

     


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