Discover 江戸旧蹟を歩く
 
 出羽三山信仰 さいたま市(南区)

  ○ 沼影観音堂
    ・丸彫庚申塔
    ・出羽三山供養塔
  ○ かんのん児童遊園
  ○ 沼影自治会館
    ・庚申塔
    ・三峰神社


沼影観音堂(廣田寺) さいたま市南区沼影1-6-30

 沼影観音堂は、旧天台宗寺院で鶴住山普光院廣田寺と号していた寺院跡です。
 北足立八十八ヵ所霊場47番、足立坂東三十三ヶ所霊場12番です。

  
 

<社号標>

 田島通りに面して、社号標。
 「足立坂東十二番
  鶴住山廣田寺
  正観世音」

   
 

<参道入口>

 左の正観音菩薩、元文4(1739)年。台座に「一切供養」。
 右の地蔵菩薩、享保17(1732)年。台座に「三界萬霊」。

     
 

<記念碑>

 左から「道路改修紀念碑」「水道敷設竣工紀念碑」「修復記念」「西側塀改修記念」と続きます。

  
 

丸彫庚申塔>

 参道左手に丸彫庚申塔、宝永5(1708)年。
 角柱の上に邪鬼と三猿の台座、さらにその上に丸彫青面金剛像。

   
 

<馬頭観世音>

 明治時代(明治40年、明治28年、明治41年)の馬頭観音が、庚申塔の右手に三基並んでいます。

  
 

<庚申塔>

 馬頭観音の紀年を確認しようと横を見ると、裏手に三猿が刻まれた庚申塔の台座がありました。
 丸彫青面金剛像が乗っていたものと思われます。

   
 

<六地蔵>

 お地蔵さんは、マフラーを巻いています。

   
 

<沼影観音堂のイヌマキ> さいたま市天然記念物

(説明板)
「浦和市指定天然記念物
 沼影観音堂のイヌマキ 一株
   平成五年三月二十五日指定
 この観音堂は、永正四年(一五○七)の古文書にその名がある仏堂で、本尊の聖観音菩薩立像は、鎌倉時代初期の彫刻です。
 このイヌマキは、目通り幹回り一・四六、根回り二・五○メートル、高さ約一五メートルです。庭木として植えられたものですが、特に損傷もなく、自然の発育を遂げた木です。古木ですが、なお樹勢は旺盛です。
 イヌマキ(Podocarpus macrophylla D.Don)は、マキ科の常緑高木で、本州の房総半島・若狭湾以西、四国、九州地方に広く分布し、特に太平洋沿岸の暖帯林の中によく見られます。また庭木や生垣として植栽されています。なお、イヌマキは、雌雄異株で、この木は、雌株であり、秋に実が熟します。
 この木は、イヌマキとしては、かなりの古木に属し、保存価値が高いと言えます。
  平成五年十二月  浦和市教育委員会 観栄会」

    
 

<いぼ地蔵堂>

 「奉納 明治三十九年四月 地蔵尊」

    
 

<手水鉢>

 参道右手に手水鉢。

  
 

<石塔群>

 参道右手に石塔群が三列に並んでいます。

  

 真中の列の右から2番目、正観音菩薩立像、元禄10(1697)年。

  

 萬中の突き当り、馬頭観世音菩薩、弘化5(1848)年。
 その右、敷石供養塔道標、安永4(1775)年。

   

 三列目、「弘法大師」、天保5(1834)年。
 左側面「伊豫國八坂寺移 第四十七番 沼影村遍照院」、右側面に紀年。

    
 

出羽三山供養塔>

 三列目
 天保6(1835)年銘の出羽三山等供養塔で、弘法大師霊場札所碑も兼ねています。
 正面「月山 湯殿山 羽黒山 坂東 西國 秩父 供養塔」
 左側面「足立群坂東十二番 正觀世音」「沼影村 廣田寺」

      
 

<庚申塔道標>

 三列目奥、庚申文字塔、両側面が道標となっています。
 正面「庚申塔」
 左側面「西 あきかせ ひきまた」
 右側面「東 〜らハ 〜ひ」

    
 

<宝篋印塔>

  宝永7(1710)年。

   
 

<観音堂/天水桶>

 天水桶「川口町 鋳物師 横山鎌吉 製造」とあります。
 「明治十五年午四月十七日」

    
 

<絵馬> さいたま市文化財

 弘化3(1846)年の絵馬で、廣田寺本尊・聖観音の縁起を書き、
 下にその縁起を説明する聖観音を曳いている絵が描かれています。

    
 

<厨子> さいたま市文化財

 厨子と左右に閻魔像。

   

(説明板)
「沼影観音堂の文化財
広田寺本尊縁起絵馬(有形民俗文化財)一面
  昭和52年3月30日市指定
 スギ板二枚を横にはぎ、額縁をつける。五十五行にわたり広田寺本尊聖観音の縁起を書き、下にそれを説明する絵を描いている。弘化三年(一八四六)三月の作である。
木造聖観音立像(彫刻)一躯
 一木造り、彫眼で像高六〇・三センチメートルである。条帛、天衣をつけ、左手に持蓮華をもつ。なで肩で厚味のある側面など藤原時代の様式を踏襲しているが、鎌倉時代の作と思われる。
沼影観音堂厨子(建造物)一基
 観音堂の本尊聖観音菩薩立像を安置する厨子である。桁行一二六・五センチメートルの一間厨子で円柱が礎盤上に立つ。全体に黒漆が塗られているが、一部に朱漆が残る。
 本式の禅宗様建築になるできのよい厨子であり、江戸時代初期の作と思われる。
  昭和六十一年三月  浦和市教育委員会
  文化財に関する問合せ先ーさいたま市教育委員会文化財保護課」

   


かんのん児童遊園

 沼影観音堂敷地内に「かんのん童遊園」があります。

   


沼影自治会館 さいたま市南区沼影1-6-29

 沼影観音堂の奥に「沼影自治会館」があり、敷地内左手に「庚申塔」、右手に「三峰神社」があります。

   
 

祠>

 沼影自治会館手前左手の祠です。
 祠内に元禄14(1701)年銘の七仏を主尊とする庚申塔が納められています。
 下部は三猿ではなく、中央に猿とその左右に獅子です。

    

<足立百不動尊霊場札所碑>

 祠の左手に「足立百不動尊霊場」の札所碑があります。
 「足立六十八番 大聖不動」
 廃寺となった遍照院から移された札所碑のようです。

  
 

三峰神社>

 鳥居と祠の間には、斜めになった木が参道を塞いでいます。
 明治34年銘の遷宮記念碑があります。

    


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